慶應義塾

気候変動自治体レベル予測

Regional climate change projection based on high resolution regional climate model (NHRCM-5 km)

Concept

グローバルや国レベルで行われている気候変動研究を自治体や地域コミュニティの関係者がそれぞれの地域における対応策の検討に役立てられるように情報を共有する仕組みを提供し、具体的な適応策の提案をしています。

はじめに

このサイトは、慶應義塾大学が実施している、国の「社会システム改革と研究開発の一体的推進」事業による研究プロジェクトの成果を社会へ還元することを目的として開設されました。 地球温暖化に関する理解を促進し、自治体・企業・NPOなどが温暖化の緩和や適応に係る施策を検討するために、2013年3月に公開された『地球温暖化予測情報第8巻』(気象庁)を有効に利用することを目的のひとつとしています。詳細は「What we do」をご覧ください。

気候変動研究

気候変動研究は、これまで多くはグローバルや国全体レベルで行われてきましたが、慶應義塾大学「グリーン社会ICTライフインフラ」研究プロジェクト(代表者:慶應義塾大学 政策・メディア研究科教授 金子郁容)では、自治体や地域コミュニティの住民の視点を中心とした気候変動の影響に対して、住民生活の脆弱性を踏まえた適応策の提案を行ない、その緩和策を提示します。本プロジェクトは、自治体レベルのローカルな課題を扱う一方、システム標準化を積極的に行い、他の自治体にも成果が普及することをめざしています。

慶應義塾大学『グリーン社会ICTライフインフラ』研究プロジェクト

文部科学省社会システム改革と研究開発の一体的推進。
気候変動に対応した新たな社会の創出に向けた社会システムの改革プログラム。

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What we do

ダウンスケーリングされた膨大な温暖化予測データを
より有効に活用できるようにする為の研究プロジェクト。

気象庁・気象研究所は、近年の数値モデル技術の進歩や計算機能力の向上の成果を踏まえ、高解像度非静力学地域気候モデルNHRCM-5km(水平解像度は5km)を開発し、21世紀前半(2016-2035年)と末頃(2076-2095)を対象に日本附近の気候変動の予測実験を行いました。世界中の様々な研究・教育機関が提供している「地域気候モデル」の予測データは水平解像度が20-50kmであるのに対して、高解像度のNHRCM-5km地域気候モデルでは、日本列島の地形の影響などを、より現実に近い形で予測計算に反映させることができる為、詳細な地域ごとの平均的な気候の変化に加え、極端な高温や大雨等についても評価することが可能となっています。

地球温暖化に関する理解の促進や、緩和や適応に係る施策検討の基礎資料として、広く活用されることを期待して、2013年3月に気象庁がNHRCM-5kmによる『地球温暖化予測情報第8巻』を公開しました。

温暖化問題はトップダウンだけでは解決しないという考え方から、適応策を実効あるものにするためには、住民が自発的に協力し、互いを支え合う中で、各個人が日常的な行動を自ら変更することが促進されること、つまり、地域コミュニティのソーシャルキャピタルを高くすることが重要です。その為、通常のデータベースや空間解析ソフトなどを利用している大学研究者や学生は、最新な温暖化予測データを利用し、横断的なデータベースを作成し、新たな視点から温暖化適応策を研究・実践すること、また、ひとつの自治体での成果が迅速に他自治体で活用されるべく、自治体間の連携体制を作ることよって、より広域での包括的で、より効果的な適応策が策定でき、緩和効果も生まれます。

気象研究所 環境・応用気象研究部
地域気候チーム

将来、温室効果ガスの増加に伴って地球温暖化が予測される。そんな中で多くの人たちにとって最も関心が高いのは、我々の住むこの町の気候が温暖化によってどのように変化するのかという事だと思う。そんな要求に応えるため我々のチームでは、いかにしてきめ細く精度の高い気候変化予測を行うかという事をテーマに研究を行っている。ここで使われている『地球温暖化予測情報第8巻』のデータは、気象研究所にあるスーパーコンピュータを使って計算された世界でも最先端の精度をもつ最新の予測データである。

Who we are

伝統的な学術研究に加え、医療、産官学連携や知財活動などを通し、これからの社会を先導するため、さまざまな分野にわたり研究活動を推進しています。

東京都生まれ。慶應義塾大学工学部卒。スタンフォード大学Ph.D.(オペレーションズリサーチ)。ウィスコンシン大学経営工学科・コンピュータサイエンス学科併任准教授をつとめるなど、アメリカ、ヨーロッパで12年間過ごし帰国。エッセン大学(西ドイツ)客員教授、統計数理研究所客員教授などを歴任。一橋大学商学部教授を経て1994年4月より現職。1999年4月から2002年9月まで、慶應義塾幼稚舎長兼任。2010年10月よりSFC研究所所長。

主著書
『ボランティア もうひとつの情報社会』(岩波新書)
『ボランタリー経済の誕生』(共著 実業の日本社)
『日本で「一番いい」学校 -地域連携のイノベーション-』(岩波書店)
『コミュニティのちから』(共著 慶應義塾大学出版会)
『コミュニティビジネスの時代』(共著 岩波書店)
『コミュニティ科学・・・技術と社会のイノベーション』(勁草書房)

東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。工学博士(東京大学)。パリ大学都市研究所への留学、米国東西センター客員研究員なども歴任。1973年環境庁入庁。同庁地球環境部環境保全対策課長として、気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)の日本への誘致、同条約の京都議定書の国際交渉、我が国初の地球温暖化防止法制(地球温暖化対策推進法)の国会提出などを担当。環境省大臣官房長、環境事務次官を経て、2011年4月より現職。
専門は、環境政策論、エコまちづくり、環境共生経済論。

主著書
『環境でこそ儲ける: ビジネスは「環境経営」で進化する』(共著・編集 東洋経済新報社、2013年)
『低炭素都市-これからのまちづくり』(共著・編集 学芸出版社、2010年)
『京都議定書が今後の『住んで分かったエコハウスの自由研究』(日経エコロミーに16回連載 日本経済新聞社、2009-11年)
『エコハウス私論-建てて住む、サスティナブルに暮らす家』(木楽舎、2007年)
『環境政策に与える影響』(ジュリスト1130号 有斐閣、1998年)

中国・北京生まれ。2002年慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科博士課程環境マネージメント・GIS専攻修了。博士(政策・メディア)。東北公益文科大学公益学部准教授を経て、2010年10月より現職。 1996年~2009年、ソウル、上海、台北、ジャカルタをフィールドとして、アジア大都市におけるヒートアイランド現象の実態解明に関する研究に従事し、その後現在まで、「地球温暖化予測データの自治体適応策の立案への活用」ためのツールを開発。

主著書
『脱温暖化 地域からの挑戦 山形・庄内の試み』(共同執筆 慶應義塾大学出版会、2012年)
『アジアの都市と水環境』(共同執筆 古今書院、2011年)
『共創のまちづくり原論 -環境革命の時代』(共著 論創社、2010年)
『総合政策学の最先端IV 新世代研究者による挑戦』(共同執筆 慶應義塾大学出版会、2003年)
『市民社会と公益学』(共同執筆 不磨書房、2002年)

Data representation

気候変動予測のデータをグラフでご覧いただけます。
グラフの詳細については、下記をご確認ください。

気候変動予測データのグラフ

気候変動予測のデータをグラフでご覧いただけます。
気候変化予測データには現在気候、将来気候とも補正を行っていません。
ご利用の際には、必要な補正などを必ず行ってください。


グラフへ移動(パスワードが必要)

地球温暖化に伴う気候変化の予測データの不確実性について

地球温暖化に伴う将来の気候変化予測には、様々な原因により予測の不確かさ(不確実性)が含まれています。予測データを利用する際には、予測データに不確実性があるということを常に留意する必要があります。気象庁刊行の「地球温暖化予測情報第8巻」では予測の不確実性の情報を付加しており、本プロジェクトでも同様の不確実性情報を示しています。
不確実性の詳細については、気象庁刊行の『地球温暖化予測情報第8巻』をご参照ください。
『地球温暖化予測情報第8巻1.4 地球温暖化予測の不確実性』(PDF)

気候変化予測データの不確実性等について

本プロジェクトでは、予測の不確実性の情報として、地点ごとの気温等の毎年のばらつき具合から標準偏差を求めて、エラーバーで示しました。将来予測の標準偏差のエラーバーの下端が、現在の標準偏差のエラーバーの上端と離れていれば、将来の気温等が上昇する、という予測がもっともらしいと考えられます。逆に気温等が下降する場合は、将来予測のエラーバーの上端が、現在のエラーバーの下端と離れていれば、下降するという予測がもっともらしいことになります。
また、予測の統計的な信頼水準を求め、グラフの色で表示しました。信頼水準が90%以上の場合を暖色で、それ未満の場合をグレーで示しました。

Projected data

『地球温暖化予測情報第8巻』のデータの利用については、
下記の内容をご確認の上、気象庁にお問い合わせください。

温暖化予測データに関するお問い合わせ


本ウェブサイトのグラフ作成に使用している『地球温暖化予測情報第8巻』の格子点データの著作権は、気象庁(Japan Meteorological Agency)に帰属します。
データの利用に関しては下記にお問い合わせの上、気象庁に個別申請を行ってください。

気象庁 地球環境・海洋部 気候情報課
電話:03-3212-8341 E-mail: clime@met.kishou.go.jp


注意事項

・データの利用には、気象庁の承認が必要です。利用を希望される方は、上記にお問い合わせの上、気象庁宛に個別申請を行って承認を受けてください。
・データについては、営利、広告、販売目的の利用は認められていません。お問い合わせに際しては、利用目的を明確にしていただくことが必要となります。
・気象庁から承認されたデータ利用者が、第三者へデータを提供することは認められていません。データ利用の際には、必ず各利用者が個別に、気象庁宛に申請を行って承認を受けてください。
・データの利用に際しては、予測データに不確実性が含まれていることにご留意ください。また予測データの補正などの処理は各利用者が行ってください。
・補正法等については気象庁にご相談ください。

Current work

本研究プロジェクトから発表された
研究成果や論文等を紹介します。

最新の研究成果

各自治体における地球温暖化への適応策策定のための「気候変動自治体レベル予測 WebGIS Platform」に、新たに、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書の4つの温室効果ガス排出シナリオ(RCP2.6/4.5/6.0/8.5)による計19ケースの地域気候モデルの計算結果を導入した。新たなPlatformでは、異なる排出シナリオの予測結果間の違いなどを含めた、総合的な知見を得ることが可能である。詳細は(http://nhrcm20km.sfc.keio.ac.jp)をご覧ください。

今回利用したデータセットは、「平成25年度環境省地球温暖化影響の理解のための気候変動予測等実施委託業務」及び「平成26年度環境省地球温暖化影響の理解のための気候変動予測等実施委託業務」において、気象庁及び文部科学省気候変動リスク情報創生プログラムの協力のもと、気象庁気象研究所開発の気候モデルを利用して作成・提供された「環境省 地域気候変動予測データ(協力:気象庁)」である。また、利用したデータセットは、国家基幹技術「海洋地球観測探査システム」:データ統合・解析システム(DIAS) の枠組みの下で収集・提供されたものである。

査読付き論文

  • Yingjiu Bai, Ikuyo Kaneko, Hikaru Kobayashi, Hidetaka Sasaki, Mizuki Hanafusa, Kazuo Kurihara, Izuru Takayabu and Akihiko Murata (2015): A GIS-based tool for regional adaptation decision-making for depopulated communities in Japan. Engineering Geology for Society and Territory. Vol.1 pp.184-187. Springer. DOI: 10.1007/978-3-319-09300- 0_35
  • Yingjiu Bai, Ikuyo Kaneko, Hikaru Kobayashi, Kazuo Kurihara, Izuru Takayabu, Hidetaka Sasaki and Akihiko Murata (2014): A Geographic Information System (GIS)-based approach to adaptation to regional climate change: a case study of Okutama-machi, Tokyo, Japan. Mitigation and Adaptation of Strategies for Global Change. Vol. 19 (5) pp.589-614. Springer. DOI: 10.1007/s11027-013-9450-6
  • Yingjiu Bai, Yasushi Ikeda, Shitsuko Ohta and Hikaru Kobayashi (2012): Sustainable Campus Initiative at Keio University after the Great East Japan Earthquake Disaster. International Journal of Disaster Risk Science. Vol. 3 (2) pp.123-130. Springer.DOI: 10.1007/s13753-012-0012-4
  • Yingjiu Bai, Juang JY. and Kondoh A.(2011): Urban Heat islands and Urban Warming in Taipei, 『Groundwater and Subsurface Environment』 (Ed. Taniguchi M.) pp.231-247.Springer.DOI: 10.1007/978-4-431-53904-9_12

国際学会発表(abstract査読)